福田豊BLOG『今日も明日もロックンロール!』

福田 豊

ライター

1959年東京生まれ。ライター、編集者。もともとは建築家であったが、ひょんなことから、出版界に移籍。『エスクァイア日本版』広告営業、編集部の後、現職。『LEON』『OCEANS』『ENGINE』『MADURO』などの雑誌を中心に、時計、クルマ、ファッション、旅などなど、男性のライフスタイル全般について執筆。

第14回:Led Zeppelin 『IV』 (1971年)

10月14日
高校生の頃、毎日のように繰り返し聴いていた、レッド・ツェッペリンの名曲「Stairway To Heaven」。それが収録されているのがロック史に残る大名作の4thアルバム『IV』。今回は、そんなお話です。

ふくだがCDやDVDと同じく、よく買っているのが音楽やギターの本。ついこのあいだも、ピンク・フロイドのデビュー50周年を記念した『ピンク・フロイド全記録』という大型本を購入。それと『たとえば、ブラッキーとクラプトン 僕らが恋した伝説のギターたち』と『WHOSE GEAR? ARCHIVE』の2冊が見付けものでしたね。どちらも有名ギタリストのギターを紹介したもので、ふくだはこういう本が昔から大好きなのです。

そして有名ギタリストのギターというと、思い出すのが、高校生の頃のこと。毎日のように繰り返し聴いていたレッド・ツェッペリンの「Stairway To Heaven」の、ジミー・ペイジによるあの有名なギターソロのことです。

「Stairway To Heaven」が収録されているのは4thアルバム。ジャケットに文字がまったくないため、いまなお正式なアルバム名は不詳で、通称『IV』などと呼ばれています。曲が長いことなどから原則的にシングル盤が存在せず(プロモ盤やジュークボックス用などが例外的にある)、「Stairway To Heaven」を聴きたければアルバムを買う以外なく、そのため『IV』は「シングルのようにアルバムが売れた」といわれるほどの世界的メガヒットとなった。ちなみに、レッド・ツェッペリンはシングルを好まず、イギリス本国では1枚も出していません。

で、話を戻すと。ジミー・ペイジのギターといえば、ギブソン「レス・ポール」というのが、ギター好きの常識。レス・ポールを低く構えた姿が格好よく、ギター小僧たちは憧れたものです。そしてそれだから、「Stairway To Heaven」のソロもレス・ポールだと思っていた。それでレコードを聴きながら「やっぱりレス・ポールの音は最高だね」なぁんていっていたわけです。

ところが、それが大間違い。あのソロはジミー・ペイジがザ・ヤードバーズの時代から使用していたフェンダー「テレキャスター」で弾かれたもの。いまでは有名な話です。

ではなぜ、そんな思い違いをしてしまったのかというと、仕方がなかったのですね。なぜなら当時はいまほど情報がなく、だから音楽雑誌などの数少ない写真(だいたいレス・ポールを弾いている写真だった)を見て、あれこれ想像するしかなかった。それになにより、日本盤のレコードの音がまったくダメだったのです。

当時のレコードは本国などより送られてきたテープを各国それぞれで調整して、各国それぞれでプレスするのが通常。そのため(後に気付くことですが)国により音がずいぶんと違っていたのです。

そして『IV』の日本盤は、テープがダメだったのか、調整がダメだったのか、そのどちらもダメだったのか、イギリス本国盤とまったく音が違っていた。簡単にいうと、イギリス盤よりも日本盤はこもったような感じ。それがシャープでソリッドなテレキャスターの音を、ファットでウォーミーなレス・ポールの音に思わせたのです。

でも、当時はそんなことは知る由もなく、後に初めてイギリス本国盤のファーストプレスを聴いたときは、愕然としましたね。いままで聴いてきたのは、なんだったのか! 青春を返せ! そんな感じでした。

ついでに、もうひとつ。日本盤の歌詞カードの、最後の「To Be A Rock And Not To Roll」という歌詞が「To Be A Rock, A Natural」と間違っているのに気付いたときも、悲しかったなぁ。だってインナースリーブに、ちゃんと正しい歌詞が印刷してあるのですから。

で、なにがいいたいのかというと。ふくだのような「3473a」世代のオジサンやオバサンは、いわゆる黄金期のロックをリアルタイムで聴くことができた。それは幸せなことだし、いまの若者たちには羨ましいことだったりもします。しかし、実は、ホンモノの音で聴いていなかったのです。

ですから「昔の音しか知らない」という方は、ぜひ、最新のCDを聴いてみて下さい。CDも最初の頃はひどい音でしたが、近年のリマスターされたものは、なかなかのできばえ。「Stairway To Heaven」はちゃんとテレキャスターの音で聴くことができます。

ただ、リマスターってキリがないのが難点。次々にアップデイトされますから。

ここに挙げたのは、その主なもの。『The Complete Studio Recordings』はスタジオアルバム全9作をまとめたCD10枚組BOXセットで1997年に発売。『Definitive Collectin』は映画『The Song Remains The Same』のサウンドトラックも含めた10作を、イギリス本国盤を再現した紙ジャケットに日本盤最初期の帯付き、というこだわりの仕様にしたCD12枚組BOXセットで2008年に発売。アルバムごとのバラ売りもありましたが、BOXには1stの色違いや、8thの6種のジャケのすべてが同梱されるなど、魅力的な付録が満載。となれば、やっぱり、BOXがよいですよね。

そしてもっかの最新が、スタジオアルバム全9作を2014年から2015年にかけて発表した、リマスタープロジェクトのシリーズ。ジミー・ペイジの監修で、まさにイギリス本国盤のファーストプレスのような音が堪能できます。また、このシリーズには「Companion Audio」と名付けられたボーナスディスクが付属し、これも素晴らしい聴き応え。さらに「スーパー・デラックス・エディション」という限定版が強力で、180gの重量アナログLPや、ハイレゾダウンロードチケット、豪華ブックレット、オリジナルジャケットのプリントなどを収めた大型BOX仕様。ただし全9作を揃えると、ものすごく嵩張ります。

と、要するに、何度も買わされちゃうのが大問題。まぁ、楽しいから、いいんですけどね。

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プロフィール

1959年東京生まれ。ライター、編集者。もともとは建築家であったが、ひょんなことから、出版界に移籍。『エスクァイア日本版』広告営業、編集部の後、現職。『LEON』『OCEANS』『ENGINE』『MADURO』などの雑誌を中心に、時計、クルマ、ファッション、旅などなど、男性のライフスタイル全般について執筆。

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