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オンライン留学白書 コロナ禍でもあきらめない! 海外大学での学び – 早稲田ウィークリー

オンライン留学白書 コロナ禍でもあきらめない! 海外大学での学び

新型コロナウイルス感染症拡大によって、2020年から留学が難しい状況が続き、代わって「オンライン留学」という言葉を耳にするようになりました。留学センターでも、自宅にいながらできる海外提携校のオンライン留学プログラムを案内していますが、興味はあるけど「留学」と「オンライン」が結びつかず、二の足を踏んでいる学生も多いようです。そこで、既にオンライン留学にチャレンジした4名の学生に、メリットやデメリット、得たことなど、その実態を教えてもらいました。

※「オンライン留学」とは、海外大学のオンライン授業による留学のことです。

(左から)三木さん、鈴木さん、境さん、奥澤さん

▼法学部 4年 三木 沙耶 オークランド大学(ニュージーランド)
▼社会科学部 3年 鈴木 彩加 フロリダ大学(米国)
▼国際教養学部 3年 境 梨花 サクロ・クオーレ・カトリック大学(イタリア)
▼商学部 5年 奥澤 良真 ポートランド州立大学(米国)

就活と両立できるので、3年生でも留学できます

法学部 4年 三木 沙耶(みき・さや)
2020年4月~2021年3月、オークランド大学(ニュージーランド)に交換留学(EX-Rプログラム )

オンライン留学に参加するまで

3年生になった2020年4月に1年間の交換留学でニュージーランドへ渡りましたが、たった1カ月で大学から帰国の指示を受けました。帰国に伴い、留学を中断するという選択肢もありましたが、国際政治やニュージーランド政治学、商法など、留学先でしか学べない授業を継続したいという思いもあり、オンライン留学に切り替えました。

オンライン留学して良かったこと

3年生に限定されますが、就活と留学を並行して進められた点は非常に良かったです。私は3年生の春出発だったため、インターンシップが本格化する時期(6月~)と留学の期間が重なっていました。留学をしながら、周囲に後れを取ることなく就活に取り組める点は、オンライン留学ならではのメリットだと思います。また、現地の寮費などが不要で留学費用を抑えられるため、現地留学よりもチャレンジしやすいように感じました。

大変だったことと、その克服方法

現地学生との交流機会が制限されてしまうように感じました。少人数制の授業などを通じて現地の学生と会話する機会はありますが、授業前後に学生とプライベートな話をする雰囲気はなく、授業のみで友人を作るのはやや難しいと思います。そういったデメリットの克服法として、留学先の大学のコミュニティーに所属し、イベントで学生と接点を持つことが大切だと思います。私は留学生向けコミュニティーとオーケストラ部に所属していました。オンライン合奏を企画して、仲間と演奏できたことはいい思い出です。

オンライン留学で得たこと

アカデミックな英語力です。フランクな日常英語を話す機会は、圧倒的に現地留学の方が多いように感じます。しかし、オンライン留学の方が勉強に費やせる時間が長く、現地留学ならではの友人とのアクティビティの時間がない分、授業を何度も何度も聞き直すことができ、英語力は格段に上がりました。また、文化が異なる国の友人たちとオンラインで一から信頼関係を築く、という経験は今後社会人として働く上で役に立つと思います。コロナ禍でビジネスもオンラインに移行しているので、就職後に海外事業に携わる機会があれば、ぜひこのスキルを生かしたいです。

これからオンライン留学を考えている学生へひと言

現地留学ができず悔しい思いをされている方もたくさんいると思います。私もその一人でした。しかし、終わってみるとオンラインだからできなかったことより、オンラインだからこそできたことの方が多かったと感じています。特に勉強面に関しては、現地の学生と全く同じ内容を受講できるため「オンラインだから学習内容が制限される」ということはなく、むしろ勉学に集中できました。オンライン留学、非常にお勧めです!

写真左:対面での活動ができないため、オンライン合奏を自ら企画した三木さん(下から2段、右から2人目)。音楽を通じて、リモートで海外の学生とつながることができたエピソードは、就職活動の場で、どの話よりも興味深く聞いてもらえるそう
写真右:最初の1カ月間だけ現地に滞在したときに手に入れた、オークランド大学のエコバッグとペン

オンライン留学での学びが気に入り、第二弾は台湾の大学へ

社会科学部 3年  鈴木 彩加(すずき・あやか)
2020年9月~2021年3月、フロリダ大学(米国)に交換留学(EX-Rプログラム)

オンライン留学に参加するまで

コロナ禍の影響で高校時代からの夢だった現地留学が中止になり、非常にショックを受け落胆しました。でも、留学の目的は、アメリカの大学で「米中関係を学ぶこと」で、それはオンラインでも問題なくできると考え、オンライン留学を決行しました。

オンライン留学して良かったこと

ビザ発行の手続きや引っ越し準備も不要、時間を最小限に抑えられることで、留学へのハードルが低くなるのではないでしょうか。思い立ったらすぐに実行できます。現地留学に二の足を踏んでいる方は、まずはオンライン留学から始めてみるというのも手だと思います。

大変だったことと、その克服方法

授業は22時くらいからスタートし(日本時間)、夜中の3時くらいに終了。その後、予習や復習をして、明け方4時すぎに寝る毎日だったそう

時差です。東海岸の場合、基本的に授業や試験の時間が日本の真夜中になり、授業の後のサークル活動にも積極的な参加ができませんでした。試験に集中できないと判断したときは、教授に相談し時間をずらしてもらいました。また、英語に囲まれた環境を作るのが難しいのもオンライン留学のデメリットだと感じます。その克服法として、現地の国際交流組織に登録。一人の留学生に一人の現地学生がつくシステムを利用し、エッセーを添削してもらったり、エントリーシートの英語を見てもらったりしました。彼女とは今でも頻繁に連絡を取り合っています。

オンライン留学で得たこと

個人的にはオンライン留学がとても気に入り、6月から台湾の国立中山大学で中国語の語学留学をすることが決まっています。また、コロナ禍で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)やIT化に携わる仕事がしたいという考えが生まれたことも、オンライン留学のたまものです。もっと多くの人々がデジタル化の恩恵を受けられるような貢献がしたいですね。

これからオンライン留学を考えている学生へひと言

現地行きが中止になったときは失意のどん底でしたが、実際に体験してみると、現地に足を運ばずとも毎日が新しいことの発見で刺激的ですし、このような状況だからこそ留学が自分の思い出として色濃く残ると思います。日本の大学で学べない授業を受けたい、留学コストが気になるという方には特にお勧めします。コロナに屈することなく、留学という人生の大きなイベントの一つを、ぜひオンラインの形で達成してほしいです。

写真左:鈴木さんの自宅の勉強机。パソコンに取ったメモをノートにまとめ、iPadで電子書籍を読むのが鈴木さんの勉強スタイル。深夜の受講のため、眠気覚ましのコーヒーも必須アイテム
写真右:留学感が欲しい! と思い、フロリダ大学のwebサイトで購入したパーカーやTシャツ。少しだけ現地で学んでいる気分になれたとか

憧れのミラノのファッション企業へのインターンシップもかないました

国際教養学部 3年 境 梨花(さかい・りか)
2020年9月~2021年7月、サクロ・クオーレ・カトリック大学(イタリア)に交換留学(EX-Rプログラム)

オンライン留学に参加するまで

ファッション業界に興味があり、本場イタリア・ミラノでブランディングやマーケティングを学ぼうと2020年秋に交換留学する予定でした。この社会情勢で、他の留学同様オンラインのみで受け入れ可能になり、留学をやめて早稲田で勉強するか、オンライン留学をするかで悩みましたが、早稲田もオンライン授業が中心のようだったので、留学を選択しました。

オンライン留学して良かったこと

オンライン上でも情熱的で、身振り手振りの大きいイタリア人の先生。画面越しにイタリアの風を感じ、境さんまでオーバリアクションになったそう

日本の大学でのオンライン授業に多く見られるオンデマンド型のような一方通行の授業と異なり、少人数制でディスカッションやグループ課題を行う授業が多かったため、自分の考えをまとめてプレゼンする力が向上しました。ヨーロッパの学生に比べると、私は自信を持って発言するのが苦手なのですが、PCの画面越しだとなぜか緊張感が薄らぎ、落ち着いて堂々と発言できる、というのもオンラインならではのメリットでした。また、場所に縛られず、時間に余裕ができる点も快適に感じました。

大変だったことと、その克服法

当初、奨学金を受けられることになっていましたが、オンライン留学ではそれが適用されなかったことが残念でした。また、オンライン留学の最大のデメリットといえば、留学先の学生とプライベートな関係を築きにくいことだと思います。私の場合は、前述のとおり、少人数のグループ課題が多かったので、みんなでWhatsAppというメッセージアプリやInstagramを通して頻繁に連絡を取るなどの工夫をしました。

オンライン留学で得たこと

留学のカリキュラムの中にインターンシッププログラムがあったので、ファッション関係の企業に2カ月間お世話になりました。ミーティングに参加したりレポート作成や調査など、オンラインでできる仕事をさせていただき、貴重な経験になりました。これまでファッション業界の華やかな面に憧れていましたが、実際は縁の下の力持ち的な仕事が多いことを、本場イタリアの企業で学べたことは、将来業種や職種を選択する上で大いに役に立つと思います。

これからオンライン留学を考えている学生へひと言

イタリアとの時差は-8時間、サマータイムは-7時間。時間を間違えないよう、世界時計が手放せなかった

学部の友人たちによく「オンライン留学ってどう?」と聞かれるのですが、迷わず「お勧め!」と答えています。実際やってみると、オンラインでもいろんなことができますし、留学先の大学が何度も個別面談をしてくださるなど、オンライン留学生に対して手厚いサポートがありました。留学に求めるものを明確にし、自分の生活スタイルと時差をきちんと考慮すれば、貴重な経験になると思います。withコロナ時代の学びの選択肢の一つとして、ぜひ視野を広げてチャレンジしてみてください。

 

英語力が飛躍的に向上し、日本国領事館の派遣員に合格!

商学部 5年 奥澤 良真(おくさわ・りょうま)
2020年4月~2021年3月、ポートランド州立大学(米国)に語学留学(CS-Lプログラム)
現在休学して、外務省在外公館派遣員としてサウジアラビアに駐在中

オンライン留学に参加するまで

大学2年の夏にカナダ、3年の冬に地中海にあるマルタ島(マルタ共和国)に語学留学し、英語を学びました。ただの日常会話レベルでなく、もっと高度な英語を身に付けたいと思うようになり、大学在学中に留学するなら最後のチャンスと4年の春に出発する留学プログラムを申し込みましたが、コロナ禍になり出発直前でキャンセルとなりました。でも、「アメリカの大学の授業にトライしたい」「自分の英語力を試したい」という思いは変わらなかったので、オンラインで留学することに。また、既に大学を休学し、一人暮らしの部屋を引き払い、宮城の実家に帰省中で、あとは出発を待つばかりという状態だったので、経済的な理由からも、大学に戻る手続きをするより、このまま留学をしてしまおうと考えたのも理由の一つでした。

オンライン留学して良かったこと

自分の英語力を試すという点では、十分に良い機会を得ることができたと思います。早稲田大学のオールイングリッシュの授業では、先生の話すことは全て理解できていたので自信があったのですが、現地の授業では英語のスピードに全然ついていけず…。自分の英語力の未熟さを痛感させられたことで、その焦りから、現地大学が催してくれたオンライン上のアクティビティに積極的に参加したり、授業以外でも英語の学習に取り組んだりしたことで、モチベーションがかなり上がりました。留学しなければ得られなかった気付きだと思います。

大変だったこと

僕の場合、1限は日本時間の早朝4時に開始するので、3時半に起床しなければならず、時差に合わせて履修することは身体的、精神的にも苦痛に感じることがありました。そのため興味があっても、履修を諦めた科目もあります。

オンライン留学で得たこと

2021年4月からは休学して、サウジアラビアの日本国領事館で、外務省在外公館派遣員として、インターンシップのような形で働いています。海外で日本のために働くという貴重な経験ができるのは、オンライン留学でスキルアップできた英語力のおかげです。また、授業に参加していたサウジアラビア出身の学生と友達になり、この国に興味を持つようにならなければ、派遣先の希望国としてリストアップしていなかっただろうと考えると、全てこの留学経験が導いてくれたものだと思います。

これからオンライン留学を考えている学生へひと言

留学する目的は千差万別だと思いますが、置かれた環境で努力することで得られる学びは絶対にあります。強い意志を持って積極的にトライしてみてください。

写真左:サウジアラビア出身の友人アブドゥルアジズさん(下段右、上段右が奥澤さん)は現在米国在住で、2021年の冬にサウジアラビアに帰国予定。お互いに対面できることを楽しみにしているそう
写真右:画面越しに自分をアピールするのに役立ったのが、漢字や葛飾北斎のインパクトあるTシャツ。そのデザインの話から、日本に関する話題で盛り上がることもあったという

留学センター担当者からのアドバイス!
「優先事項をはっきりさせることで、満足度の高い”オンラインでの留学”が実現します」

2020年から約50名の学生が、留学センターを通してオンラインによる留学に参加しました。当初は「現地に行かなくて意味があるの?」と心配する学生も少なからずいましたが、実施後のアンケートでは、「場所を問わない」「制約が少ない」「渡航準備がいらない」さらに、就職、研究、サークル、ボランティアなど、「日本での活動と留学を並行してできるのが良い」というポジティブな声も集まりました。また、各学部・研究科の方針によりますが、留学センターが提供するプログラムは、オンラインでも早稲田大学の単位が取得できる可能性があります。オンラインでの留学を検討される際に重要なのは、留学で自分が何を重視するのか見極めること。アメリカやヨーロッパで学ぶことを優先するなら、時差に配慮したカリキュラムがあるかどうかを、日本の活動と留学を無理なく兼ねるなら時差の少ないオセアニアなどを検討することで、満足度の高い学びが実現すると思います。

※2021年海外留学春募集の募集要項はこちら。

【次回フォーカス予告】6月7日(月)公開「大学院進学特集」


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