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近未来テクノロジー見聞録(46) LESS TECHが開発した昆虫サイボーグ、大量生産に向けた検討も開始! | TECH+

昆虫サイボーグ。聞いたことがあるだろうか。昆虫の体もしくは体の一部とマイクロコンピュータの電子回路系を接続し、行動をコントロールできるものだ。

この昆虫サイボーグを使ってLESS TECHは、災害時などでの行方不明者を探すのに役立てようとしている。では、昆虫サイボーグとはどのような特徴があるのか、なぜ、行方不明者を探すのに適しているのか、今回は、そんな話題について紹介したいと思う。

昆虫サイボーグとは?

昆虫サイボーグを手がける、2020年設立のベンチャー、LESS TECH。CEOは佐藤裕崇(さとうひろたか)氏が務める。

佐藤氏が所属しているシンガポール南洋理工大学(NTU)と技術提携を行いながら、革新的な技術開発と事業展開を進めており、昆虫サイボーグの他にも、わずかな触媒量で無電解めっきを可能にする技術なども手がけている。

今回ご紹介する昆虫サイボーグには、次のようなメリットがあるという。

まず、小型で低コストであること。そのため大量生産に適していることが挙げられる。消費電力が低くロングオペレーション。ワイヤレスかつ遠隔で操作できる点も挙げられる。そして普通の小型ロボットに比べて、障害、障壁を超えて移動することができるのもメリットだ。

同社の昆虫サイボーグは、現在までにさまざまな実証に成功している。S字や8の字に沿って移動すること、ある限定された領域にとどまること、ジョイスティックを使って遠隔で操作すること、あらかじめインプットされたアルゴリズムによって目的地までを自動で、障害も避けながらもしくは障害を超えて移動することなどだ。野外での実証も行ったという。

昆虫サイボーグでどのように行方不明者を探すのか?

2016年に発生したマグニチュード7.3の熊本地震を例に取ると行方不明者の捜索範囲は、5km2に及んだという。この範囲を昆虫サイボーグで捜索するとどうなるだろうか。

昆虫サイボーグは、10cm/sのスピードで動き、昆虫サイボーグに搭載されたヒトを捜索するためのカメラの捜索範囲は、半径1.2mであるため、1機の昆虫サイボーグで5km2 の範囲を捜索するには、242日かかってしまう。しかし、裏返せば、242機の昆虫サイボーグを量産できれば、1日で捜索できてしまうのである。

実際に、昆虫サイボーグには、ヒトの体温を検出できる赤外線カメラ(IRセンサ)が搭載されている。ヒトを検出したのかどうかは、人工知能(AI)を活用する。ヒトと認識できた場合は、アラームが鳴り救出に向かうことができるという仕組みだ。

同社は、今後もワイヤレスによる遠隔操作、複雑な移動、障害物による移動などに対応できるよう、技術を改善していくという。

さらに、すべての機能を1つの小型チップに搭載できるようにし、昆虫サイボーグの体内に埋め込み式となるようにしたいという。そして、大量生産化に向けた製造ラインの整備も検討している。

いかがだっただろうか。昆虫サイボーグと行方不明者の捜索が最初はピンとこなかったかもしれないが、とても興味深い取り組みだ。

多数機で広範囲な捜索という点では、遺失物の捜索もセンサーとAIを変更・改良すれば可能となるかもしれない。また、昆虫サイボーグの小型、高性能、モニタリングという点を活用すれば、防犯や捜索などにも応用できそうだ。いずれにせよ、応用用途は多様と感じる。


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